2009年2月23日月曜日

サービス残業(残業代請求)

今回は、サービス残業の残業代請求に係る裁判例を紹介しています(つづき)。

5 争点2(原告が請求しうる額)に関する当事者の主張
(1)原告の主張
ア 原告は,平成17年2月16日から平成18年6月22日まで,別表1〈略〉の月別残業代計算表(以下「別表1」という。)の「年月日」欄記載の日に,「始業時刻」欄記載の時刻から「終業時刻」欄記載の時刻まで,被告の業務に従事した。
 そして,各月の時間外の労働時間は別表1の各頁の1行目の「平日残業時間」欄記載のとおりであり,休日の労働時間は同行の「休日労働時間」欄記載のとおりである。また,これらのうち深夜の労働時間を兼ねる時間は同行の「深夜労働時間」欄記載のとおりである。
イ 別表1においては,割増賃金(残業代)を計算するにあたっての1時間あたりの基準賃金は,賃金の支払実績に照らし,平成17年3月度から平成18年1月度までは2309円,同年2月度から7月度までは2355円で計算している。なお,住宅手当は一律支給のため控除していない。
ウ そして,別表1記載のとおり,平成17年2月16日から平成18年6月22日までの時間外,休日及び深夜の割増賃金(残業代)の合計は701万5441円である。
 また,これに対する同年7月26日から同年12月31日まで(159日間)の商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の額は18万3362円であり,原告は,これとともに,上記701万5441円に対する平成19年1月1日から支払済みまで賃金の支払の確保等に関する法律6条所定の年14.6パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める。
 さらに,原告は,被告に対し,労働基準法114条所定の付加金701万5441円の支払も求める。
(2)被告の主張
ア 原告が主張する勤務時間は,タイムカードに依拠するものであるが,必ずしも原告の勤務実態を反映していない。
 特に別表1に頻繁に現れる「終業時刻」欄の「18:00」の記載は,いずれもタイムカードの打刻がなされていない部分であると思われるが,この部分については,原告は,現実にはその時刻以前に退勤しているのがほとんどである。
 また,午後10時以降にタイムカードの打刻がされていたとしても,この時間が単純に深夜割増賃金(残業代)の対象となると解すべきではない。
イ 原告の課長昇進時の経緯,原告が部下からも勤務態度の不真面目さに対して批判が集中していたことなどの諸般の事情に照らすと,仮に,被告に何らかの賃金支払義務があったとしても,労働基準法所定の付加金の支払義務を認めるのは相当ではない。
6 口頭弁論の終結の日
 本件の口頭弁論の終結の日は平成20年2月18日である。

なお、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士料やサービス内容が異なりますので、よく比較することをお勧めします。そのほか、個人の方で、不当解雇保険会社との交通事故の示談・慰謝料の交渉オフィスや店舗の敷金返還請求(原状回復義務)多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題刑事事件などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。